年々、子どもの数が減ってきていますが、青森県ももちろん例外ではありません。
県内の小・中学生、高校生の数を見てみると、2011年には15万人以上いたのに対し、2020年は12万人以下にまで減っています!
学校に通う児童生徒数が減ったことで、2020年〜2021年の2年間で30校もの統廃合も進んでしまいました。。
青春を過ごした母校が廃校してしまった、、という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回は廃校を施設として再利用している取り組みを紹介します!
▼オススメの宿泊施設はこちらをチェック
白神自然学校一ツ森校(鯵ヶ沢町)
2003年3月に廃校となった旧一ツ森小学校をリノベーションして、同年10月にオープンした観光施設です。
世界遺産として有名な白神山地の自然を感じられるツアーや、ブナの植樹を体験できたり、白神山地ならではの商品開発や現地のガイド養成講座も行われる場所となっています。
施設の中には、地元食材の素材を生かしたランチ味わえる「農家レストランしらかみ」、教室を改装した宿泊所「くまげらの家」もあり、研修施設としても使われているそうです。
夜の小学校は怪談が付き物ですので、教室に泊まるのって少し怖い気もしますが、一度は泊まってみたいですよね!
I’m at 白神自然学校一ツ森校 in 西津軽郡鰺ヶ沢町, 青森県 https://t.co/WJYpma5Job pic.twitter.com/VMrSnmXquD
— 工藤篤志 (@acchi2) November 23, 2017
海・山・川の豊かな自然に囲まれた場所ですので、観光も楽しみつつ、小学校時代の話に花咲かせる仕掛けとして、活用してみてはいかがでしょうか?
1泊2食付きで約6500円、寝袋利用なら5000円ほどで泊まれますので、ぜひ旅の思い出に。
●白神自然学校一ツ森校青森県西津軽郡鰺ヶ沢町大字一ツ森町字上禿88-2
http://school.shirakami.gr.jp/
1泊2食付き:6600円(寝袋利用の場合:5100円)
1泊朝食付き:4100円(寝袋利用の場合:2600円)
素泊まり:3600円(寝袋利用の場合:2100円)
海峡の家「ほろづき」(今別町)
海峡の家ほろづき
— ねる@育児中 (@NeruMemories) May 5, 2018
旧袰月中学校の校舎を利用した簡易宿泊施設です。炭酸カルシウム人工温泉は毎週水・土曜日の12時から17時まで日帰り入浴できます。入浴料金は大人300円で、シャンプー、ボディーソープ、ドライヤーは備え付けがあります。タオルは持参しましょう。ゆっだどしたじゃ(о´ω`о) pic.twitter.com/cNvwTvGe97
1994年に廃校となった旧袰月(ほろづき)中学校の木造校舎を残しつつリノベーションした宿泊施設です。
施設の近くには、国定公園に指定されている「袰月海岸高野崎」があり、北海道、龍飛岬、下北半島が一望できます。
施設の中にある調理室には、自炊のための設備も整えられていて、食材を持ち寄れば自由に作ることができます。
また、食事も事前予約すれば地元のお母さんが用意してくれるようです!
旅先で家庭の味を味わえるのは嬉しいですね。
なんと人工温泉も整備されており、観光の拠点としては満点です。
団体利用で宿泊料金が10%オフになったり、大広間も利用できたり、自由度の高い施設になっています。
各教室が和室や洋室になっていて、調理室、入浴含めて1泊3500円ということで、かなりお得に楽しめます。
夏は海の音を聴きながら、星空鑑賞も良さそうですね!
●海峡の家「ほろづき」
青森県東津軽郡今別町大字袰月字村下70
https://www.town.imabetsu.lg.jp/sightseeing/tourist/horoduki.html
大人:1泊3500円
小人:1泊2500円
青葉湖展望交流施設 山の楽校(八戸市)
100年以上の歴史があった旧増田小中学校が2002年に廃校となり、2005年地域活性化を担う観光施設としてオープンしました。
山の楽校では、地元のおばあさん直伝のそば打ち体験、南部せんべいの一種「てんぽせんべい」焼き体験、地元の素材を使った豆腐、味噌作りなどが体験できます。
南郷にきました。
— 先川栄蔵 (@cutiesenkawa) October 31, 2020
山の楽校でそば打ち体験です!!#青森グリーン・ツーリズム#青森県#県南#近畿日本ツーリスト東北 pic.twitter.com/AQ3msHesPy
岩手で有名な「わんこそば」のルーツ、「すましそば」が昔から南部地方では食べられていて、昆布・煮干し・人参などから取られただし汁と「すまし」と呼ばれる幻の調味料で味付けされた「すましそば」をここで食べることもできます。
また、「世増(よまさり)ダム」の建設により作られた青葉湖が近くにあり、秋の紅葉が特におすすめなようです。
山の楽校には、世増ダムの建設で沈む前の世増地区の風景やダム建設当時の新聞記事などが展示された資料館もあり、この土地についても詳しく知ることができます。
宿泊はできませんが、自然と歴史と郷土料理など、地元に根ざした体験がたくさんできる施設ですので、ぜひ一度訪れてみてください!
●山の楽校
青森県八戸市南郷島守北ノ畑6-2
https://www.yamanogakkou.com/
お山のおもしえ学校(黒石市)
2006年に廃校となった旧大川原小学校を改装して2009年にオープン。
昭和の生活道具や農機具を展示した「昭和の道具展」、東京在住、青森市出身のクレヨン画家の「孫内あつしアトリエ・絵画展」、屋外プールを利用した「温泉熱利用による山草園」の3つをテーマとした観光施設として、季節に応じたイベントも開催されています。
夏休みシーズンには毎年恒例の「学校のお化け屋敷」が開催され、「廃校」という場所も相まって、背筋が凍る怖さだということです。
黒石市・お山のおもしえ学校からの中継は17:40頃ですよ6(*’▽’)∂ #wacchi pic.twitter.com/19cI85HoWk
— ATV わっち!! (@atv_wacchi) October 19, 2016
山草園で撮れたいちごで作った「いちご牛乳」を施設内の喫茶で飲みながら、昔懐かしのレコードも聴けるそうなので、タイムスリップした気分を味わえそうですね。
ただ、2020年から長期休業中のようです。再開を待ちましょう!
●お山のおもしえ学校
青森県黒石市大川原門尻47-1
http://matagi.omoshie.com/
BUNACO 西目屋工場(西目屋村)
2015年に廃校となった旧西目屋中学校の校舎を改修し、2017年から木工品の製造を行う地元企業の工場に生まれ変わりました。
西目屋といえばブナの原生林で有名な世界遺産「白神山地」にほど近く、テープ状に加工したブナ材で食器やスツールなどを製造する「ブナコ」にとっては、とても相性の良い場所です。
青森の企業といって侮るなかれ、なんと洞爺湖サミットでの各国首脳へのお土産として選ばれるくらい、製品のクオリティはめちゃくちゃ高いんです!
旧校舎の中にある視聴覚室ではブナコ製のスピーカーの音を体感することができます。
スピーカーから出る透明感のある音は、テープ状の素材をコイルのように巻きつける独特な製法が生み出しているそうです。
各教室は作業スペースになっていて、職人たちの仕事の様子を見学できます。
事前予約でうつわの製作体験もできるようですよ。
旧給食室は「BUNACO CAFE」としてブナコ製の照明や青森県の形をしたテーブルがレイアウトされ、りんごなどの地元食材を使用したデザート、ランチセットなどの食事も楽しめます。
工場内のショップではここでしか買えない限定商品もあるとか、ないとか。
●BUNACO 西目屋工場
青森県中津軽郡西目屋村大字田代字稲元196
http://bunacofactory.jugem.jp/?cid=1
りんごの里 ひらかわファーム(五所川原市)
2015年に統廃合された金木地区の旧喜良市(きらいち)小学校の校舎を利用して、同年からきくらげやレタスの栽培が行われています。
旧教室の中にはきくらげの菌床がびっしり置かれており、冬場も地熱を利用した温度調整でオールシーズンで栽培しているようです。
「青森きくらげ」と命名 林業研開発の新品種 https://t.co/CHBrpEOCh9 pic.twitter.com/BYKiFXLKe2
— 東奥日報(青森) (@toonippo) June 9, 2020
純国産のきくらげとしてブランド化した「青森きくらげ」を栽培するひらかわファームの理事長は、なんと旧喜良市小学校の卒業生!
国内消費量のほとんどが輸入品のきくらげですが、「青森きくらげ」を青森が誇るブランドに育て上げるべく、生産者を育成する栽培講習会なども旧校舎で定期的に行なっているようです。
青森県オリジナル品種の #青森きくらげ が本日より販売解禁となりました。生ならではのコリコリした食感が楽しめます。炒め物や酢の物がオススメ。お求めは青森県内のイトーヨーカドーで。 pic.twitter.com/vi3TM4abb1
— 青森合同青果 (@aomorigodo) July 5, 2021
青春時代を過ごした母校を職場にできるのも素敵ですし、熱い想いで青森をもっと元気にしていってほしいですね!
●りんごの里 ひらかわファーム
青森県五所川原市金木町喜良市千苅148番地
https://www.umai-aomori.jp/202007/20776.html
鶴田町歴史文化伝承館(鶴田町)
2004年に廃校となった旧水元(みずもと)小学校。
鶴田の観光地「鶴の舞橋」から車で5分ほどの距離にあります。
旧校舎は1876年創立、1936年にヒバ造りの木造校舎が築造され、現存しているのは全国的に珍しいとして、町の文化財として指定されています。
教室では町の鳥とされている丹頂の資料室や、農機具の展示場、伝統芸能の練習場など、鶴田町の歴史や文化を伝える「伝承館」として、活用されています。
また、NHK大河ドラマ「いのち」のロケ現場になったそうで、校庭で三田佳子さんが走る運動会のシーンを撮影したとか。
なかなかふらっと立ち寄りづらい場所ではありますが、鶴の舞橋がある春の「富士見湖パーク」は、桜が咲き乱れる地元民の憩いの場となっているので、ついでに立ち寄ってみてください!
鶴田町歴史文化伝承館
青森県北津軽郡鶴田町大字廻堰字下桂6-3
https://www.medetai-tsuruta.jp/spot/sightseeing/culturalmuseum.html
おおわに自然村 生ハム工房(大鰐町)
こちらの工房は、1995年に廃校になった旧大鰐第三小学校の校舎を改修して使われています。
敷地内には生ハム工房だけでなく、養豚場、豚肉加工場も併設されていて、農業体験などのグリーンツーリズム施設にもなっています。
ここで育てられている南津軽レトロポークは、コンビニ等で出る廃棄弁当を加工した飼料で育てられているそうで、とってもSDGsですよね。
なんでも、施設の運営を行なっている有限会社エコ・ネットさんの本業は、産業廃棄物などの収集運搬ということで、そんな事業の展開の仕方があるのか!と目からウロコです。
こちらで加工された生ハムやソーセージなどの製品は、ECサイトでも買えるようになっています。
●おおわに自然村 生ハム工房
青森県南津軽郡大鰐町早瀬野小金沢48-2
http://namahamukoubou.owani-s.com/
まとめ
いかがでしたでしょうか?
少子化で統廃合してしまった学校も多いですが、旧校舎を活用している事例も多く存在します!
耐震してリノベーションしたり、地域の観光資源を生かす施設になっていたり、とアイディア次第で活用の幅は広がりそうですよね。
廃校活用をしてもらえる事業者を募集している自治体もいくつかありますので、我こそはという方はぜひ応募してみてくださいね!