青森県で乗れる観光列車ってどんなものがあるの?
車内コンテンツ、景色など、どんな内容を楽しめるの?
初めて青森へ観光に行く人も、2回目以降の人も、一度は乗ってほしい青森の観光列車。
青森と一口に言っても、津軽地方、南部地方、下北地方で景色や特産物もバラバラです。
県内の主な観光列車で楽しめる内容、停車駅などをまとめてみました!
リゾートしらかみ(JR奥羽本線&JR五能線)
リゾートしらかみは、観光等で利用機会の多い青森駅、新青森駅、弘前駅等で乗降車できる大人気の観光列車です。
「立佞武多の館」が有名な五所川原駅を経由して、鰺ヶ沢駅、深浦駅、十二湖駅など、日本海の絶景を見ながら観光できます。
美味しい弁当やお酒を飲みながら、日本海の景色を眺める列車で移動するだけでも十分楽しいですが、この観光列車、車内コンテンツが盛りだくさんなんです!
1つ目は、金多豆蔵(きんたまめじょ)人形芝居です。
明治から続く青森県唯一の人形芝居で、全編津軽弁なのが特徴です。
木でできた人形2体を両手にはめて、座長が1人2役で金多と豆蔵を演じ、漫才さながらの掛け合いを繰り広げます。
津軽鉄道の終点駅、津軽中里駅内の会場が本拠地で、毎月第一土曜日にはここで公演をしていますが、リゾートしらかみ(橅編成のみ)でも月に5日程度、出張公演をしています。
子供の頃に、地元の神社の祭りで金多豆蔵を見ましたが、めちゃくちゃ笑った記憶があります。
2つ目は、津軽三味線の生演奏です。
青森といえば、津軽三味線を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
本場の津軽三味線の生演奏を聴いてみたいけど、旅の日程にはまらない、、という方も、移動しながら生演奏を聴けます。
津軽三味線の演奏ってなぜか、日本酒が進むんですよね〜
車両は限られていますが、ほぼ通年で実施されているコンテンツなので、ぜひチェックしてみてください!
3つ目は、津軽弁の語りべです。
初めて行く土地を観光するなら、その土地の言葉が聞きたくなりますよね。
県外客の集まる観光スポットだと、県外の人にも伝わるように、地元の人もきれいめな言葉で話していたりするので、意外としっかりした津軽弁って聞けなかったりします。
しかし!このリゾートしらかみでは、リアルなイントネーションや訛りが満載の津軽弁も体験できます。
訛ってはいるものの、ゆっくり話してくれるので、ニュアンスは伝わると思います!
そして、せっかく列車で移動するなら、旅のお供としてお酒もほしいですよね!
「橅(ぶな)編成」の車両では、地酒やクラフトビールが楽しめるバーカウンターも設置されています。
青森の特産品であるりんごを発酵させた微発泡果実酒「シードル」も味わえますよ。
ぜひ、地酒でほろ酔いになって、列車が揺れてるのか、自分が揺れてるのかわからない心地よい列車の旅をお楽しみください!(笑)
そして、県内だけではなく、秋田県の能代駅や秋田駅までつながっている路線なので、青森、秋田を観光する際は便利だと思います。
ちなみに、時期によっては「五能線クルージングトレイン」という車両が、リゾートしらかみの時刻に運行していることもあります。
これは、リゾートしらかみが車両点検等で運行できない時に代わりに走る車両です。
車内コンテンツはありませんが、ある意味レアかもしれませんね!
停車駅
リゾートしらかみは、JR奥羽本線の一部と、JR五能線の全線を運行します。
停車駅は下記を参照ください。
青森駅*1、新青森駅*1、弘前駅、川部駅、藤崎駅、板柳駅、陸奥鶴田駅、五所川原駅、木造駅、陸奥森田駅、鰺ヶ沢駅、千畳敷駅*2、深浦駅、ウェスパ椿山駅、十二湖駅、(ここから秋田県の停車駅)岩館駅、あきた白神駅、能代駅、東能代駅、森岳駅*2、八郎潟駅、追分駅、秋田駅
※1:弘前駅止まり、弘前駅発の場合は、停車しません
※2:停車せずに通過する列車もあります
リゾートあすなろ下北(JR大湊線&青い森鉄道)
リゾートあすなろ下北は、八戸駅と大湊駅を結ぶ観光列車です。
午前中に八戸駅を出発し、大湊駅へ向かう下り線と、午後に大湊駅から出発し、八戸駅へ向かう上り線の2本が1日に運行されます。
臨時列車が運行されている日もあります!
リゾートしらかみのように、車内コンテンツはありませんが、運転席付近には展望スペースがあり、流れる景色を大きな窓で楽しむことができます。
見どころは、陸奥湾沿いギリギリを走る「有戸駅〜吹越駅」間!
車窓一杯に陸奥湾が広がるのでまさに絶景です!
有戸駅、吹越駅はリゾートあすなろが止まりませんので、停車駅である野辺地駅(または陸奥横浜駅)を出発したら、心のファインダーとスマホの準備をおすすめします!
リゾートあすなろ下北は、観光客の多い土日・祝日を中心に運行されていますが、月によって運行日はバラバラです。
1ヶ月に5日ほど運行する月もあれば、0日の月もあるので、運行スケジュールは要チェックです!
ちなみに、「あすなろ」は青森県の木、ひばの別名です!
ひばの木がヒノキに似ていることから、「明日はヒノキになろう」→「あすなろ」らしいです。(諸説あり)
停車駅
リゾートあすなろ下北は、JR大湊線の全線と、青い森鉄道の野辺地駅〜八戸駅間を運行しています。
停車駅は下記を参照ください。
八戸駅、三沢駅、野辺地駅、陸奥横浜駅、下北駅、大湊駅
TOHOKU EMOTION(JR八戸線)
TOHOKU EMOTIONは、列車全体がレストランのようになっている観光列車で、八戸駅と岩手県北東部の久慈駅間を運行しています。
車内のライブキッチンで、地元の人気シェフが地元食材で作ったコース料理やデザートブッフェを味わうことができます。
個室のように仕切られた1号車のボックス席や、開放感のある3号車のオープンダイニングで味わうことができるので、移動レストランみたいな感じです。
列車の外観は白いレンガ風のグラフィックを基調にしたシックなデザインですが、車内は青森の伝統工芸「こぎん刺し」などをモチーフにしたモダンで落ち着いた内装です。
もはやここまでくると、移動が目的ではなく、流れる車窓を見ながら本格的な食事を楽しむことがメインで、移動はあくまでそこに付いてくるものみたいな感覚ですよね。
これこそ観光列車の醍醐味だと思います!
主に金曜〜月曜の運行が多く、火曜〜木曜は運行がほとんどありません。
昼前に八戸駅を出発し、久慈駅まで約2時間ほどノンストップで運行する上りが1本、昼過ぎに久地駅を出発し、各駅に停車しながら夕方に八戸駅に向かう下りが1本の計2本が運行されています。
コース料理を楽しめるのは八戸駅発の上り線、デザートブッフェを楽しめるのが久慈駅発の下り線です。
下り線は各駅に停車しながら、1時間40分ほどをかけて運行するのに対し、上り線は途中停車しないのに、2時間かけて運行します。
コース料理をゆっくり味わうためには2時間必要と言われているので、それを考慮してゆっくり運行しているんでしょうね。
停車駅
TOHOKU EMOTIONは、JR八戸線の八戸駅〜岩手県の久慈駅(全線)を運行し、停車駅は上り・下りで異なります。
停車駅は下記を参照ください。
八戸駅、本八戸駅*、鮫駅*、種差海岸駅*、久慈駅
※:八戸駅発の列車は、停車しません
ストーブ列車(津軽鉄道)
ストーブ列車は、青森のローカル線の中でも特にディープな雰囲気漂う、津軽鉄道の冬限定観光列車です。
暖かそうな名前の通り、毎年12/1から3/31までの真冬の期間のみ運行しています。
基本的には1日3往復の運行があります。
りんご農家のスズキ実家も薪ストーブですが、このストーブ列車でも同様のダルマストーブが車内の暖房として設置されています。
燃料は薪ではなく、石炭です。
車内販売も行われていて、スルメ、地酒、どら焼き、石炭クッキーなどが売られています。
この石炭クッキー、発売当初スズキの周りでも話題になってました。
黒さの秘密はブラックココアで、結構味も美味しくてお土産にも喜ばれると思います。
そして、スルメ、ストーブの組み合わせといえば、やっぱり炙っちゃいますよね。
もちろん車内はスルメ臭が充満です!笑
線路沿いは田んぼが広がっているので、車窓から見える一面の白銀世界を肴に、ポカポカの車内で炙りたてのスルメと日本酒を楽しめます。
津軽鉄道の停車駅である芦野公園駅は、春になると地元民が集う桜の名所なんですが、2021年冬には、ピンク色のLEDで桜が咲いたようなライトアップが行われました。
冬の桜を見ながら、スルメ焼いて、日本酒飲んで、石炭クッキー食べて、一面に広がる雪景色を見て、、
ストーブ列車もなかなか盛りだくさんですよ!
停車駅
ストーブ列車は、津軽鉄道の全線で運行しています。
停車駅も、通常の津軽鉄道の列車と変わりません。
津軽五所川原駅、十川駅、五農校前駅、津軽飯詰駅、毘沙門駅、嘉瀬駅、金木駅、芦野公園駅、川倉駅、大沢内駅、深郷田駅、津軽中里駅
けの汁列車・ビール列車(弘南鉄道弘南線)
けの汁列車は、弘前駅〜黒石駅間を運行する2月限定のイベント列車で、郷土料理「けの汁」と飲み放題を楽しめます。(コロナ禍は休止中)
例年、2月の金曜夜に4便ほど運行されていて、両サイドのロングシートに挟まれる形で、食事用の長テーブルが設置されます。
この列車は事前予約が必要で、毎年早期に満員となる人気の列車です。
弘前駅〜黒石駅間を往復する2時間の間で、食事やカラオケ、抽選会をみんなで楽しめるので、偶然乗り合わせた人ともワイワイできる素敵な空間です。
ビール列車は、7月限定のイベント列車で、車両がビアホールに変身します。
こちらも事前予約制で、ビールだけでなくサワーも飲み放題で利用できます。
弘南鉄道では、このほかにも貸切イベント列車サービスをしていて、結婚パーティ、忘新年会、クラス会などの開催場所としても使えます!
停車駅
けの汁列車やビール列車は、弘南鉄道弘南線を運行しますが、往復運行ですので、発着は同じ駅です。
(弘前駅で乗ったら、降りるのも弘前駅)
発着駅は下記を参照ください。
弘前駅、平賀駅、黒石駅
金魚ねぷた列車(弘南鉄道大鰐線)
金魚ねぷた列車は、中央弘前駅〜大鰐駅間を運行する9月限定のイベント列車で、約350個もの金魚ねぷたが車内に吊り下げられます。
弘前ねぷた祭りの期間になると、町中にこの金魚ねぷたが飾られ、灯籠としても使われています。
この列車は、事前予約不要なので通常の運行と変わらない乗り方で、途中下車もできます。
上下線ともに、1時間に1本程度は運行しているので、比較的乗りやすい列車だと思います。
期間中の土日の夜には車内の電気が消され、金魚ねぷたの明かりだけで運行するロマンチックな車両にもなります。
ねぷた祭りは8月の上旬なので、タイミングが合わず行けなかったー、、という方は、9月の金魚ねぷた列車でも雰囲気を味わうことができますよ!
9月の金魚ねぷた列車で使われている金魚ねぷたは、プロのねぷた絵師によって作られたものですが、8月にも似たような列車が運行されます。
その名も「子ども金魚ねぷた列車」です。
この列車では、地元の子どもたちが絵付けをした個性のある金魚ねぷたが車内に飾られます。
子どもたちの無限大な発想力に驚かされること間違いなしです!
停車駅
金魚ねぷた列車・子ども金魚ねぷた列車は、弘南鉄道大鰐線の全線を運行しています。
停車駅は、通常の弘南線と同じです。
大鰐駅、宿川原駅、鯖石駅、石川プール前駅、石川駅、義塾高校前駅、津軽大沢駅、松木平駅、小栗山駅、千年駅、聖愛中高前駅、弘前学院大前駅、弘高下駅、中央弘前駅
まとめ
いかがでしたでしょうか。
リゾートしらかみとストーブ列車は知っていたけど、ほかの観光列車は初めて聞いた!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ローカル線ならではの企画が満載で、どの観光列車も楽しめますよ!
ぜひ一度は乗ってみてください!!