本州最北端、青森の寒冷な気候が生んだ野菜や、温泉を活かした野菜など、青森にはさまざまなご当地野菜があります。
有名な野菜から、マイナーな野菜までまとめてみました。
せっかく青森に行ったら、その土地の地物野菜を食べたい!
青森でしか食べられない伝統野菜も食べてみたい!
そんな方はぜひ参考にしてみてください!
参考記事
佐井村アピオス【下北地方】
いきなり聞き慣れない名前の野菜・・・
佐井村アピオスは、下北半島の西側にある佐井村の特産品です。
「アメリカホドイモ」という和名の通り、芋のようなホクホク食感で栗のような甘味が特徴。
食べ方は、蒸したり、塩茹でしたり、素揚げするだけで美味しいのでおすすめのご当地野菜です。
アピオスは美味しいだけではなく、「世界三大健康野菜」と言われていて、タンパク質、鉄分豊富でアメリカ先住民が戦う時の食料だったそう(!)
アメリカ原産のアピオスですが、アメリカから取り寄せたりんごの苗木にまぎれて、青森に伝わったそうです。
伝わり方がなんとも青森らしいですよね
寒冷な佐井村の気候が栽培に適していることもあり、アピオスの生産量は青森県が日本一です。
「寒ざらし」と呼ばれる佐井村アピオス独自の工程を極寒の12月に行うことで、糖分が引き出されてより甘くなります。
生のアピオスが買えるのは1〜2月だけです!
一球入魂かぼちゃ【下北地方、津軽地方】
一球入魂かぼちゃは、下北地方の中心都市むつ市と、津軽半島北端にある今別町の特産かぼちゃです。
どちらのエリアも、夏が比較的涼しく、1日の中でも温度差が大きいため、甘くて美味しいかぼちゃが育つ最適なエリアです。
美味しさの秘訣はそれだけでなく、1株に1個の実しかならないようにほかの実を摘み取り、1個に全てに養分が凝縮される様に育てます。
おすすめの食べ方は天ぷらです!
一球入魂かぼちゃはホクホクさが特徴なので、天ぷらにして、塩で食べるとより美味しく味わえます。
8月から10月下旬くらいが旬なので、ぜひ探してみてください!
清水森ナンバ【津軽地方】
清水森ナンバは、弘前市、西目屋村、大鰐町、田舎館村、平川市の5市町村でしか栽培・加工ができないブランドとうがらしです。
400年前から栽培が続く伝統的なとうがらしですが、栽培者が1人まで減ってしまい、絶滅寸前だったそうです。
清水森ナンバは実のサイズが大きく、とうがらしなのに辛味が少なく甘味のある独特な風味で、炒めて食べると絶品です。
BBQの時に肉と一緒に炭火で焼いて食べると一番美味しいんですが、フライパンで素焼きにしても美味しいです。
辛いパプリカみたいな感じです
ちなみに、清水森=弘前市内の地区の名前、ナンバ=津軽弁でとうがらしの意味で、青唐辛子は7〜8月頃、赤唐辛子は10月頃が旬です。
おすすめは青唐辛子です!
一町田せり【津軽地方】
一町田(いっちょうだ)せりは、弘前市(旧岩木町)の一町田地区で栽培されている特産品です。
せりって七草粥の時に食べる草のこと?
岩木山の麓にある一町田地区には、常に岩木山の湧水が流れてくるので、水を張ったせり田が凍らず、寒さを活かした香りの良い美味しいせりが育ちます。
11月下旬から旬を迎えるため、鍋の具材として食べるのがポピュラーですが、おすすめは胡麻和えと天ぷらです。
歯ごたえも良くて、香りも味も抜群です。
春の七草粥でしか、せりを食べたことがない方にぜひ食べてもらいたいです!
ふかうら雪人参【津軽地方】
ふかうら雪人参は、日本海に面する深浦町で栽培されるブランド野菜です。
佐井村アピオス同様、青森の厳しい寒さを利用してにんじんの糖分を極限まで引き出しています。
「ふかうら人参ジュース」って知っていますか?
原材料が、人参とレモン汁だけなのに、なぜかめちゃくちゃ甘いんです。
この甘さが、ふかうら雪人参の美味しさの証拠なんですが、青森の寒さは野菜の味をも変えてしまうとは…
収穫は雪が降った後の12月から3月の間に行われ、鮮度も普通のにんじんより短いので、生のふかうら雪人参は特に貴重です。
おすすめの食べ方は野菜スティックです!
糠塚きゅうり【南部地方】
糠塚(ぬかづか)きゅうりは、八戸市の糠塚地区で栽培されている伝統的なご当地野菜です。
一般的なきゅうりよりも太く、シャキシャキした食感と苦味が特徴です。
7〜8月に収穫されるため、南部地方では夏の風物詩になっている野菜です。
種がびっしり入っている品種なので、種の部分をくり抜いて食べるのが一般的で、よく冷やして味噌をつける食べ方が夏を感じられて特におすすめです。
収穫した翌日には色が変わってくるという足の早い野菜なので、ぜひ八戸で食べてみてください!
野老【南部地方】
東北町で特産の芋「野老」出荷 80年以上記録途絶えた幻の芋|NHK 青森県のニュース https://t.co/VlFN0vZJOp… pic.twitter.com/xI834lKrhB
— matiere* (@matiere) March 8, 2023
野老(ところ)は、上北地方の中央に位置する東北町で栽培されている伝統的な芋です。
山芋の仲間ですが、ショウガの様な見た目で強い苦味が特徴です。
灰を入れたお湯で煮込み、水にさらさないと食べられないほどの苦味で、津軽地方では存在すらほとんど知られていません。
その処理をしても苦いは苦いですが、ねっとりと口にまとわりつく食感と、なぜかクセになる味わいで、南部地方では食べる文化がいまでも残っています。
11月から12月が収穫時期で、3月までは食べられるチャンスがあるようです。
赤キクイモ【津軽地方】
赤キクイモは、五所川原市近郊で特産化に向けて近年栽培を進めている野菜です。
ショウガの様な見た目で、食物繊維や栄養が豊富なのが特徴で、キクイモはアピオスと並んで「世界三大健康野菜」の一つ。
アピオスと違って、甘みやホクホク感は少なく、レンコンとごぼうを足して2で割った様な風味と食感です。
生の状態だと鮮度が短く、栄養ドリンクやチップスのような加工品で売られているのが多いです。
きんぴらやサラダにすると食感が楽しめて美味しいです
11月〜12月が収穫時期なので、食べてみたい方はチェックしてみてください!
大鰐温泉もやし【津軽地方】
大鰐温泉もやしは、中南津軽の大鰐町で栽培されている特産もやしです。
普通のもやしとの一番の違いはその食感。
もやしの全長も長く、香りの良さも特徴ですが、煮込んでもなお残る歯応えは一度試してみてほしいです。
買えるのは11月から4月の冬の期間限定。テレビでよく取り上げられることもあって、買えたらラッキーな野菜です。
温泉の熱や温泉水を使って栽培をしていて、温泉好きが多い青森にぴったりな特産品です。
しゃぶしゃぶにして食感を楽しんでもよし、肉野菜炒めにして普通のもやしとの違いを確かめてみるのもよし、どう料理しても美味しいです。
福地ホワイト六片【南部地方】
福地ホワイト六片は、三八地域の中央に位置する南部町が原産のブランドにんにくです。
色の白さと、粒の大きさが見た目の特徴で、糖度が高さや、香りの良さで人気の品種です。
青森県はにんにくの生産量日本一ですが、津軽地方の我が家では風邪をひいた時くらいしかにんにくは食べなかったです。
匂いは当然気になりますが、ホイル焼きにして食べると大粒のにんにくがホクホクで、なんで今まで食べてこなかったんだろう、、って大人になってから後悔しています。
6〜7月が収穫時期ですが、スーパー等では乾燥させたものが通年で回っています。
長芋【南部地方、津軽地方】
長芋は青森県が生産量日本一の代表的な特産品です。
先ほど紹介した野老の産地、東北町が県内トップの生産地ですが、西北津軽でも栽培が盛んです。
青森の長芋は県外のスーパーでもよく見かけるので、おそらく食べたことがある方が多いと思います。
秋と春に収穫が行われ、年中食べられるようになっているので、ぜひ長芋を買う時に青森のことを思い出してみてください!
おすすめの食べ方は、やはりとろろです!
ごぼう【南部地方】
ごぼうも青森県が生産量日本一の代表的な特産品です。
特に上北地域の三沢市や東北町、六戸町などで盛んに栽培されています。
青森のごぼうも、よく県外のスーパーで年中見かけますよね。
ヤマセという南部地方特有の気候が、ごぼうを育てやすい環境にしているそうです。
まだ青森県産のごぼうを食べたことがないという方は、ぜひ一度試してみてください!
まとめ
にんにく、ごぼう、長芋は青森の特産品として、比較的有名だと思いますが、意外と知られていないご当地野菜、ブランド野菜も多く存在しています。
ぜひ、青森の恵みを吸収して実った野菜を味わってみてください!