青森県の地域分けはどうなってるの?
天気予報を見ても、市町村の位置関係がわからない!
地域によって天候差はあるの?
そんなことを思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
青森県を構成する6つの地域の概要と、季節ごとの天候の違いを比較してみました。
東京とも比較していますので、東京とどのくらい天候が異なるかも参考にしてみてください。
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6つの地域区分と主な都市
青森県は大きく分けると、津軽地方、南部地方、下北地方の3つに分かれます。
ここまでは聞いたことがある人も多いと思いますが、さらに細かくすると6つの地域に分かれます。
津軽地方は、「東青(とうせい)」「中南(ちゅうなん)」「西北(せいほく)」の3つの地域に、
南部地方は、「上北(かみきた)」「三八(さんぱち)」の2つの地域、
下北地方は、そのまま「下北(しもきた)」の計6つです。
東青地域
東青地域には、青森市と東津軽郡の4つの町村(平内町、外ヶ浜町、今別町、蓬田村)が含まれます。
青森市の「青」と東津軽郡の「東」で東青ですね。
どの市町村も海(陸奥湾、津軽海峡)に面している地域で、海の幸に恵まれています。
青森の代名詞になっている「青森ねぶた祭り」や、湯治の名所「酸ヶ湯温泉」もこの地域にあります。
中南地域
中南地域には、弘前市、黒石市、平川市、中津軽郡(西目屋村)と南津軽郡の3つの町村(藤崎町、大鰐町、田舎館村)が含まれます。
りんご栽培が特に盛んな地域で、県内の65%以上の栽培面積があります。
津軽民の心の拠り所「岩木山」や、世界遺産の「白神山地」も中南地域に面しています。
弘前さくらまつり、弘前ねぷた、中町こみせ通り、田んぼアートなど、観光スポットも満載です。
西北地域
西北地域には、五所川原市、つがる市、西津軽郡の2つの町(鰺ヶ沢町、深浦町)と北津軽郡の3つの町(板柳町、鶴田町、中泊町)が含まれます。
田んぼとりんご畑が広がる津軽平野や、夕陽が沈む西海岸があります。
西北地域の田んぼの面積は県内の35%ほどを占め、りんごの栽培面積は中南に次ぐ県内2位で、農業が盛んな地域です。
大粒のしじみ貝の一大産地「十三湖」、高さ20mを超える「五所川原立佞武多」、絶景が広がる「鶴の舞橋」など、ここも観光スポットが満載です。
上北地域
上北地域には、十和田市、三沢市と上北郡の7つの町村(野辺地町、七戸町、六戸町、横浜町、東北町、六ケ所村、おいらせ町)含まれます。
津軽と南部の境目「藩境塚(はんきょうづか)」にもなっている八甲田山系に面し、太平洋や陸奥湾にも囲まれています。
畜産や野菜の栽培が盛んで、上北の農業産出額は県内の約35%を占めていて、県内の農業を支えています。
紅葉の名所「十和田湖」や、県外からも大人気の観光スポット「奥入瀬渓流」などの豊かな自然や、風力発電所や原子力燃料サイクル施設といったエネルギー施設も集まっています。
三八地域
三八地域には、八戸市と三戸郡の6つの町村(三戸町、五戸町、田子町、南部町、階上町、新郷村)が含まれています。
東は太平洋、南は岩手県の県境に面しています。
水産業と工業が盛んな地域で、八戸漁港の漁獲量は青森県全体の約40%を占めています。
工業では、鉄鋼、食料品、飲料、飼料、たばこ、紙の製造等の割合が多く、三八地域の主要都市である八戸市は、北東北2位の製造品出荷額を誇ります。
漁港近くの朝市や、地元客と観光客どちらにも人気な八食センターなど、海の幸にまつわる観光スポットがたっぷりです。
下北地域
下北地域には、むつ市と下北郡の4つの町村(大間町、東通村、風間浦村、佐井村)が含まれています。
まさかりの形をした下北半島は、太平洋、津軽海峡、陸奥湾といったさまざまな海に四方を囲まれていて、東西で気候が異なります。
日本の秘境百選にも選ばれている「仏ヶ浦(ほとけがうら)」をはじめ、恐山(おそれざん)、薬研(やげん)渓流など、自然豊かな土地を活かした観光業に力を入れています。
下北地域の面積の8割(!)が森林になっていて、短命で有名な青森県内では、比較的平均寿命が長い地域です。
地域による天候の違い
それでは6つの地域を代表して、青森市(東青)、弘前市(中南)、五所川原市(西北)、十和田市(上北)、八戸市(三八)、むつ市(下北)の天候の違いを、夏、冬、梅雨シーズンで比較していきます。
津軽地方(東青、中南、西北)と南部地方(上北、三八)の間には奥羽山脈があるのと、面している海(津軽は日本海、南部は太平洋)の違いもあり、気候がかなり異なります。
そして、四方を海に囲まれている下北は、西側は津軽、東側は南部っぽい気候になっています。
気温などのデータは、気象庁のHPで調べました。
(1991〜2020年までの30年間のデータ)
真夏の天候比較
どの地域も、1年の中で8月が最も平均気温が高いです。
地域ごとの、8月の最低気温・最高気温、晴れる日数、年間の真夏日の日数、熱帯夜の日数を比較してみました。
比較の参考として、東京の情報も載せています。
最低気温と最高気温
まずは、真夏(8月)の各地域の最低気温、最高気温を比較してみました。
津軽地方の3地域(東青、中南、西北)は、平均して28℃前後まで気温が上がっていますが、南部、下北の3地域(上北、三八、下北)は、平均して26℃後半までしか上がりません。
これは、「ヤマセ」と呼ばれる、太平洋側から吹く、冷たく湿った偏西風の影響によるもので、南部は夏なのに気温が低くなる日が多くなります。
夏は、比較的涼しい南部や下北の方が過ごしやすいと思います。
ちなみに東京は、平均で31℃超です。。暑いわけだ。。
年間の真夏日の日数
最高気温が30℃以上になる「真夏日」の年間日数も比較してみました。
今年も暑かったですね〜
真夏日の日数は、ダントツで中南(弘前市)が多いですね!!
弘前にいた頃は、確かにジリジリ毎日暑かったです。
とはいえ、東京の52日に比べると、半分以下なので十分涼しいと思います。
続いて、西北(五所川原市)が続き、その次は、東青(青森市)、上北(十和田市)、三八(八戸市)が横並びで、下北(むつ市)はなんと一桁です。
年間の熱帯夜の日数
続いて、最低気温が25℃を下回らない、夜でも寝苦しい「熱帯夜」の日数を比較しました。
どの地域も軒並み1日未満です。
エアコンがない家も結構多いですが、扇風機をつけていれば夜は十分寝れます
ただ、最近は暑くなってきているので、津軽だと5日くらいはあるような体感です。
ちなみに、東京は17.9日!!
東京ではエアコンのない暮らしなんて考えられないくらい暑いので、県内のどの地域も夜は比較的寝やすいです。
晴れる日数
真夏(8月)に晴れる日数の比較です。
40%以上の日照がある日なので、ちょっと曇ってる日も含まれます。
津軽の3地域は、ほぼ横並びの16日前後で、1ヶ月の半分以上は晴れているということになります。
東京も16日くらいなので、津軽とほぼ一緒ですね。
南部と下北の3地域は、13日前後なので、2〜3日に1回は晴れます。
南部で晴れない日が多いのは、ヤマセの影響ですかね。
真冬の天候比較
どの地域も、1年の中で1月の平均気温が最も低いです。
雪が降る日数も1月が大体一番多いですが、雪が一番積もっている月は2月が多かったです。
真冬の天候の比較として、1月の最低気温・最高気温、雪が降る日数、晴れる日数、2月の最深積雪、年間の真冬日の日数をまとめてみました。
最低気温と最高気温
続いて、気になる真冬の最低気温、最高気温の比較です。
最高気温の平均は、三八(八戸市)以外は大体横並びで2℃弱、三八(八戸市)は3℃弱です。
やっぱり寒いですよねー、、日中でも冷蔵庫の中より寒い!!
でも、東京の最低気温とほぼ同じくらいなので、耐えられない寒さではないはず、、です!
県内の最低気温は、東青(青森市)、西北(五所川原市)、三八(八戸市)でマイナス4℃前後、中南(弘前市)と下北(むつ市)でマイナス5℃弱、上北(十和田市)は平均なのにマイナス6℃を下回ります。
どの地域でも、毎晩寝ている間に水道管が凍って破裂しないように、水抜きをしたり、チョロチョロ水を出しっぱなしにしたり、対策が必要です。
年間の真冬日の日数
続いて、最高気温が0℃に満たない、真冬日の年間日数を比較しました。
真冬日は、中南(弘前市)がダントツで多いです。
真夏日も、中南がダントツだったので、冬は寒いし、夏は暑い、よく言うとメリハリがはっきりとした地域なのかもしれません(笑)
東青(青森市)、西北(五所川原市)、上北(十和田市)、下北(むつ市)は18〜19日で横並びで、1ヶ月の半分以上は最高気温が0℃未満です。
一方、三八(八戸市)は年間10日ほどしか真冬日はありません。
日中にしっかりと気温が上がった方が過ごしやすいと思いがちですが、日中気温が上がると雪や氷が溶けますよね?
最低気温は平均して0℃未満なので、その溶けた雪が夜中に凍ってしまい、翌朝には、道路がデラデラのアイスバーンになってしまうんです!!
青森の冬には、靴底の溝が深くて滑りにくいブーツが必須です!
雪が降る日数
1日で3cm以上積もる雪が降った日数を比較してみました。
東京は1日以下、と言うことから分かる通り、都心で3cm積もる雪が降ってしまうと、電車が止まったり、交通事故が増えたり、大混乱が起きる降雪量です。
津軽地方は総じて1ヶ月の半分以上、多いところは3日のうち2日は降っているという結果です。
道路の雪は、除雪車が片付けてくれますが、道路と家の前の境目には、畑の畝のように盛り上がった雪が残されます。
これを片付けないと、車が家から出られません。
大雪の日になると、朝、昼、晩の3回、雪かきが必要だったりします。
十和田市(上北)とむつ市(下北)も1ヶ月の半分くらいは雪が降っていますが、八戸市(三八)だけは、5日以内という日数でかなり降雪日が少ないです。
積雪の深さ
続いて、1年のうち比較的雪が積もりやすい2月に、どれだけ深く雪が積もるかを比較します。
国内でも有数の豪雪地帯として知られる青森県ですが、そのイメージ通りめちゃくちゃ雪が積もるのは津軽地方(+下北)です。
その中でも、青森市(東青)は特に多く積もります。
一方、南部の2地域は、一番積もっている時でも平均50センチ未満です。
冬でも最高気温が比較的高い八戸市(三八)の積雪は20センチほどです。
青森県のはずなのに、八戸は全然積もらないです
晴れる日数
真冬(1月)に晴れる日数(日照率40%以上)を比較してみました。
津軽と南部の差がすごいですね!
津軽地方の青森市(東青)、弘前市(中南)、五所川原市(西北)は、なななななんと、1ヶ月のうち晴れるのは4日以下。。。
いつも曇りか雪なので、冬に青空を見れるだけで感動してました
津軽と南部の気候の特徴をどちらも合わせ持っているむつ市(下北)は、晴れの日数については津軽地方の特徴が出ていますね。
南部地方の十和田市(上北)と八戸市(三八)は、1ヶ月のうち半分以上晴れています。
津軽と南部の間にある奥羽山脈が、雪を降らせる雲を遮ってくれるので、空気が乾燥して、冬でもカラッと晴れる日が南部は多くなります。
梅雨シーズンの天候比較
晴れの日が少なく、洗濯物も乾きにくい、梅雨シーズンの降雨量と日照時間を比較してみました。
梅雨入り(平年) | 梅雨明け(平年) | |
東北北部(青森) | 6/15 | 7/28 |
関東甲信(東京) | 6/7 | 7/19 |
エリアによって、梅雨シーズンは微妙に時期が異なるので、青森県内は6月下旬〜7月中旬の1ヶ月間のデータ、東京は6月中旬〜7月上旬のデータを使っています。
降雨量
1ヶ月間の降雨量は、津軽地方の3地域はいずれも110mm前後で、県内の中では比較的雨が少ないです。
一方、南部地方の2地域は140mm弱の降雨量があり、津軽地方の約1.3倍の雨が梅雨に降ります。
むつ市(下北)は津軽と南部の間くらいの降雨量です。
東京は梅雨の1ヶ月間、190mmの降雨量なので、それに比べると、青森県(特に津軽地方)は全国の中でも梅雨の影響が少ない地域と言えると思います。
青森に住んでいた頃、梅雨は確かに気になりませんでした
日照時間
そして、梅雨シーズン1ヶ月間の日照時間の平均を比較してみました。
東京の114時間に比べると、津軽は155時間前後、南部は130〜145時間で、どの地域も太陽が出る時間が長いです。
単純に30日で割ると、東京は1日3〜4時間ほど、津軽は1日5時間ほど、南部は1日4.5時間前後晴れているということですね。
梅雨シーズンを青森県で過ごすというのもアリかもしれません。
まとめ
青森県には、東青、中南、西北、上北、三八、下北の6つの地域があります。
夏は、津軽地方の方が暑く、晴れる日も比較的多いです。
冬はどの地域も寒いですが、三八が比較的暖かいです。
1月の津軽地方で晴れる日は5日もない(20日前後は雪が降る)ですが、南部地方は15日以上あります。
梅雨シーズンの青森県は、東京に比べると雨が少なく、晴れる時間も多いので、特に津軽地方の梅雨は比較的過ごしすい地域といえます。
ぜひ、長期滞在や移住、試住の参考にしてみてくださいね〜